MA
2023.05.01
ABMとは?特徴やメリットをチェック!
目次
BtoB企業から新たなマーケティング手法として注目を集めている「ABM」。優先度の高い顧客を選定し、それぞれのニーズを汲み取って最適な課題解決法を提示するというのが一般的な定義です。
しかし、日本では昔から多くの企業が同様のアプローチを行っている背景から、実は「古くて新しい」マーケティング手法ともいえます。
MA(マーケティングオートメーション)をはじめとしたツールを活用することで、より効率的に実施できるABMですが、今回はその特徴やメリット、取り組み上の注意点をご紹介しましょう。
マーケティング戦略「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」とは
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは、自社にとってより価値の高い顧客・見込み客を選別し、ターゲット(アカウント)に据えた企業に最適なマーケティング活動、営業活動を行なっていくというマーケティング戦略のことを言います。
重要な顧客に個別のメッセージやキャンペーンを展開することによって、一般的な手法より高い成果を期待することができます。具体的な手順を見てみましょう。
ABMの手順
1.アカウントを選定
自社が保有する過去の取引歴をはじめとしたデータを元に、顧客リストをランク分けしてポテンシャルを決定。さらに、過去のマーケティングおよび営業ノウハウから見込み客が顧客化するまでのステータスを可視化して条件設定を行い、ターゲットとなる見込み客・顧客を分類していきます。
2.キーパーソンを調査
その企業の意思決定を左右する重要人物を特定。さらに、展示会への招待状、メール、テレアポなど、コンタクトを取る方法もあわせて考えていきます。
3.アプローチのシナリオを作成する
ターゲットが持つ課題をいかに解決できるコンテンツなのかをアピールすることが重要です。ニーズを踏まえた資料やトークで、具体的な施策を提示できるようにしておきます。
4.キャンペーンを実施する
Web、メール、紙媒体など、最適と思われるチャネルでキャンペーンを実施します。
5.効果測定
一般的なマーケティング手法と同じく、ABMにおいてもPDCAサイクルをしっかりと回していくことが肝心です。キャンペーンの反応、Webサイトへの訪問、取引成立など、その成果と改善すべき課題点を洗い出すことで、次回以降の効果を高めていくことができます。
上記の通り、ターゲットとなる企業を選定してアプローチをかけていくABMには、膨大なデータを分析するツールの力が欠かせません。そもそも、ABMが注目され始めた背景としては、Webマーケティングを支えるMA(マーケティングオートメーション)や営業活動を支えるSFA(セールスフォースオートメーション)といったツールの普及があります。
以前は顧客それぞれのニーズや課題に合ったコンテンツを用意し、アプローチしていくには膨大な労力と時間が必要でした。しかし、データの分析や作業の自動化を担ってくれるツールが充実し始めた現在、マーケターや営業スタッフの負担は軽減され、大きな成果を期待できるABMを展開できる場が整ったのです。
ABMのメリットと注意点を把握し、自社に最適かどうか判断を
ではここで、改めてABMを実施することのメリットをご紹介します。
ABMのメリット
高いROIを期待することができる
重要な顧客に的を絞ってアプローチすることで、マーケティングや営業におけるROI(投資に対する利益)の向上を期待することができます。
リソースの無駄を減らすことができる
ABMでは、あらかじめアプローチする顧客をセグメントするため、少数の顧客に集中できる環境が整い、資金や人材といったリソースの無駄を省くことができます。リソースが不足している企業でも、システムを確立すれば効率的にABMを実施することができます。
効果測定が容易にできる
ABMは少数の顧客を対象とするため、従来に比べて効果を分析しやすく、効率的にPDCAを回していくことができます。
しかし、ABMを実施する際には以下の点に注意が必要です。
ABMの注意点
ターゲットに据える顧客に向き不向きがある
前述の通り、自社にとって重要度の高い見込み客・顧客に絞ってアプローチを行なっていくのがABMの手法。そのため、これまで実績のない新規顧客、商談期間が短い顧客には効果が見込みにくいと思われます。
マーケターと営業スタッフの連携が必須
セグメントしたデータに基づいてアプローチを展開するABMには、マーケティングと営業の連携が欠かせません。部門ごとに独立して協力が難しいという場合は、ABM導入へのハードルが高いと言わざるを得ません。
ABMはその特性上、顧客ごとの単価が高い企業や顧客によって提案の切り口が大きく変わる企業に向いているといわれています。まずは、自社にABMが最適かどうか、取り入れられるかどうかを精査する必要があるでしょう。
ABM活用には、マーケティング部門と営業部門との密な連携が欠かせない
ABMをうまく活用すれば、見込み顧客や既存顧客へのアプローチがより的確かつ、より効率的に展開できるでしょう。ただし、それにはマーケティング部門と営業部門との密接なコミュニケーションと協力が欠かせません。自社のマーケティングの現状を見直しながら、より良いマーケティングを目指すことができる手法のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
また自社では難しい場面がある際は、当社へご相談ください。
天谷 勇一
デジメーション株式会社 代表取締役
マーケティングオートメーションを活用したCRM戦略や、データを活用したサイト構築・デザイン制作、WEB広告メニューのプランニング、などデータに基づいたプロモーション戦略を中心に、現場担当者だったからこそ分かるセールス部隊とマーケティング部隊の間に生じる課題の抽出・解決やツール(施策)の定着化運用などが強み。