分析
2023.06.20
あなたの事業はどのタイプに当てはまる!?アドバンテージ・マトリックスを活用した市場整理
目次
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事業戦略を立てるには、その事業がどのような特性を持っているのかを正確に把握することが大切です。
そうしたビジネス分析に役立つフレームワークの中でも、市場整理に長けているのが「アドバンテージ・マトリックス」。
今回は、アドバンテージ・マトリックスについて解説しましょう。
業界を分類するフレームワーク「アドバンテージ・マトリックス」とは?
アドバンテージ・マトリックスとは、企業間格差が生まれる要因に注目して業界を分類するフレームワークのこと。
コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」が考案した分析手法で、「業界の競争要因の数」「優位性を構築する可能性」という2つの軸から世の中の業界を4つのタイプに分類します。
競争要因が少ないほど勝ち負けが単純に決まり、優位性構築の可能性が高いほど他社に対する競争優位を獲得できることを意味します。
また、4つのタイプそれぞれによって、規模とROA(Return On Assets=収益率の尺度)の関係を描き、事業の特性を表すのも特徴です。
アドバンテージ・マトリックスを活用することで、自社が競争環境を勝ち抜くための戦略を考えることができます。
アドバンテージ・マトリックスにおける4タイプ
特化型事業
競争要因が多いものの、特定の分野に強みを持って地位を築き上げることで優位性を確保できる可能性が高い事業が分類されます。
計測機器業界、製薬業界などが特化型事業の例として挙げられます。
規模型事業
いわゆる「規模の経済(生産量の増大に伴って原材料や労働力などのコストが減少する結果、収益率が向上すること)」が働くため、規模を拡大することで優位性を確保できる可能性が高くなる事業です。
自動車業界、半導体事業などが規模型事業の典型といえるでしょう。
分散型事業
分散型事業に分類されるのは、構造的に大きくなるのが難しく、大企業が少ない事業。競争要因が多く優位性を構築するのが困難な分野といえます。
建設業界、飲食店、アパレル業界のほか、高い技術を持った美容師の魅力で集客しているような美容室などのビジネスがこれに該当します。
手詰まり型事業
競争要因が少なく、優位性確保も難しい事業。鉄鋼業界、セメント業界など、中小企業が淘汰されて残った大企業も規模効果が限界に達し、優位性構築ができなくなった事業によく見られます。
業界が衰退期に突入し、利益向上や差別化が難しくなっている状況ですが、新たな優位性を構築することができれば特化型事業を目指していくことができます。
なお、アドバンテージ・マトリックスは基本的に上記4つの事業タイプに分類されますが、分散型事業と規模型事業の両方の傾向が出るビジネスにおいて、ごく小規模または大規模の場合に収益性が高く、中規模になると収益性が悪くなるという「V字カーブ」を示す場合があります。
例えば、飲食店の場合、地域密着のカフェや居酒屋であれば管理や教育にかかるコストを低く抑えることができますが、中規模では高くついてしまいます。
一方、セントラルキッチンを据えたファミリーレストランのように規模が大きくなれば、「規模の経済」が働きます。
このようなV字カーブ効果は飲食業界に多く見られますが、広告代理店、旅行代理店といった業界にもこうした傾向がよく表れます。
アドバンテージ・マトリックスを実施すれば、今後の戦略の方向性を検討できる
アドバンテージ・マトリックスは、縦軸に「業界の競争要因の数」を、横軸に「優位性を構築する可能性」を置き、それらの大小によって4つの類型に分類していきます。
さらに、4つそれぞれのタイプについて各企業の規模とROAをプロットします。4つのタイプは前述の通り、売り上げ規模と収益率の相関関係が異なるため、自社の属する業界がどのタイプに分類されるのかを認識することで、今後の戦略の大まかな方向性を検討していくことができます。
4つのタイプの中でも、一般的に利益を確保しにくいのは分散型事業と手詰まり型事業といわれています。そのため、長期的・安定的な収益を確保するためには特化型事業、規模型事業への転換を目指し、さらにそこで優位性を築いていくことが求められるのです。
新規事業参入や新商品・サービスの開発の前段階に活用するのもおすすめ
アドバンテージ・マトリックスは、自社の属する業界や自社の事業を経済面から評価・分析したいときや、新規事業への参入や新たな商品・サービスの開発の前段階に活用するのがおすすめです。
4つのタイプにそれぞれ異なる事業の経済性や成功の可能性が見られるため、その分野や事業の特性を正確に捉えることができます。
自社の進めるべき戦略を探る上で、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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天谷 勇一
デジメーション株式会社 代表取締役
マーケティングオートメーションを活用したCRM戦略や、データを活用したサイト構築・デザイン制作、WEB広告メニューのプランニング、などデータに基づいたプロモーション戦略を中心に、現場担当者だったからこそ分かるセールス部隊とマーケティング部隊の間に生じる課題の抽出・解決やツール(施策)の定着化運用などが強み。