分析

2021.11.16

マーケティング戦略には欠かせない?STP分析とは?正しいやり方も解説

   
     

   
     
     
     
     

マーケティング戦略にはSTP分析が重要であることは、耳にしたことがあるかもしれません。しかし、いまいち理解が進まなかったり、どうやって分析すればいいのかわからなかったりする方も多いでしょう。

そこで今回は、STP分析を正しく行う方法について、実際の事例も含めて解説していきます。

STP分析とは?

STP分析とは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取った、マーケティングのフレームワークのことです。

ビジネスを展開するうえでは、誰に何を売るのかが非常に重要になります。効果的にブランド力を高めながらビジネスを行うには、必ず自社のポジションとターゲットの選定が必要不可欠です。

そこで、STP分析では以下のような手順で戦略を考えます。

①セグメンテーション:市場構造を把握し、市場を細分化する

②ターゲティング:細分化した市場や顧客からターゲットを決定

③ポジショニング:ターゲットに対して、自社商品の差別化を図る

このように、マクロの視点から徐々にミクロの視点へ分析することで、より効果的な戦略を打ち出せるのがSTP分析の特徴です。

STP分析を行う3つのメリット

STP分析を行うことのメリットは大きく3つあります。

・自社の商品のターゲットを発見できる

・自社の商品の独自性や優位性を明確にできる

・競合他社との不必要な競争を回避できる

次の項目はそれぞれのメリットについて、詳しく解説していきましょう。

自社の商品のターゲットを発見できる

まず1つめのメリットは、自社商品に対して最適なターゲットを発見できることです。STP分析では、セグメンテーションとターゲティングによって、市場の把握からターゲット決定まで行います。

そのため、漠然としたターゲットではなく、市場を分析しつつ最適なターゲットを選ぶことが可能です。

たとえば、水をたくさん売りたいならどこで販売すればいいでしょうか。都心のど真ん中で売ろうとしても、コンビニなどの競合他社がたくさんいるので売れませんよね。したがって、砂漠地帯など少しでも水の希少価値が高い市場ですることが必要になります。

少し極端な例ですが、このように市場を把握して適切なターゲットを決めることが、マーケティング戦略においてはとても重要です。

自社の商品の独自性や優位性を明確にできる

2つめのメリットは、商品の独自性と、ほかの商品にはない優位性を前面に押し出してアプローチできることです。適切にセグメンテーションとターゲティングができれば、ターゲットに対してどのようにアプローチをすべきかが明確になります。

アプローチの仕方が明確になれば、それだけ他社にはない魅力を適切に伝えられるため、売上アップだけでなく、ブランド力の向上にもいい影響を与えてくれます。

<h3>競合他社との不必要な競争を回避できる</h3>

3つめのメリットは、競争の回避ができるようになることです。ビジネスにおいて1番悩ましいことが、「競合他社と競争」でしょう。STP分析を行うことで、この不要な競争を回避できます。

なぜ競争を回避できるのかというと、市場とターゲットを決めたあとに「ポジショニング(位置取り)」をするからです。競合他社のポジションを分析して、重ならないように自社のポジションを決めることで、不要な競争をすることなくビジネスを展開できます。

結果、他社との明確な差別化が図れるようになり、ターゲットに対してアプローチも行いやすくなるでしょう。

代表的なSTP分析の活用事例

STP分析のメリットがわかったところで、実際の活用事例を3つご紹介します。また、以下の3社は、マーケティングの教科書にも用いられているSTP分析における代表的な例です。

ユニクロ

ユニクロが行ったSTP分析は、一般的なSTP分析とは少し異なります。一般的なSTP分析では、セグメンテーションで「性別」や「年齢」などで分割することが多いです。しかし、ユニクロのSTP分析では、セグメントを性別や年齢関係で分割するのではなく、「顧客のニーズ」でセグメント化を行っています。

ユニクロは「日常的に使えて安い服が欲しい」や、「最新のトレンドなどではなく、長く使用できるような服が欲しい」など、顧客のニーズに合う商品を販売しています。結果、独自のSTP分析を経て「カジュアルでベーシックな商品を提供する」という戦略を打ち出しました。

その後ユニクロは、ファッションの流行を追った服を提供するのではなく、普段の生活で性別、年齢にかかわらず気軽に購入することのできる商品開発に注力したのです。

最終的には、上記のような戦略を取ったおかげで「ZARA」「H&M」「GAP」など、大手ブランドとの競合を回避しつつ、事業拡大の実現ができています。

コカ・コーラ

コカ・コーラ社は、企業名でもあるコーラを販売しているイメージが強いですが、「ジョージア」をはじめ「い・ろ・は・す」など、さまざまな種類の製品を販売しています。

このコカ・コーラ社のSTP分析は、セグメンテーションをただの飲料水ではなく「食事に合う商品」というセグメントに分割しています。たとえば、和食に合わせた「綾鷹」や、ダイエット・健康を意識した「トクホ製品」などです。

後発で出てきたペプシに若い年齢層の顧客を取られてしまいましたが、上記のセグメンテーションによって、「飲料水」としてのポジションではなく、「食事に合わせた飲料」というポジショニングに変えられています。

結果的にコカ・コーラというブランドも失うことなく、世界中から愛され続けている企業となっています。

スターバックス

スターバックスといえば、フリーWi-Fiがあり、学生やビジネスパーソンにとって「サードプレイス」と呼ばれていますね。この「サードプレイス」というポジショニングが、スターバックスが全国展開するために行ったSTP分析の結果です。

スターバックスの場合は、セグメンテーションを高校生からシニア世代までの男女を対象にしています。その後、朝はサラリーマン、昼は主婦やノマドワーカー、夜は仕事帰りの会社員など時間帯によってターゲットを変えることで幅広い層からのニーズが高まりました。

現在では、サードプレイスというポジショニングにより、一般的なカフェよりも快適に過ごせる第三の場所という差別化が完成しています。

STP分析の正しいやり方

次にSTP分析を正しく行う方法を解説します。STP分析などのマーケティングフレームワークは、知識として知っておくだけでは機能しません。そのため、必ず「正しいやり方」を身につけたうえで分析するようにしましょう。

ここでは以下の順に解説していきます。

①S:市場を細分化する(セグメンテーション)

②T:ターゲット層を絞る(ターゲティング)

③P:自社の立ち位置を決める(ポジショニング)

正しいやり方がわかると、先述したユニクロのように違った視点からのアプローチも可能になります。

①市場を細分化する(セグメンテーション)

まずやるべきことは、STPのSにあたる「市場を細分化」をします。この市場の細分化は、明確なターゲットへ商品やサービスを提供するために、とても重要な視点です。

たとえば、ゴルフクラブを販売するとします。日頃からゴルフをする人は男性が多く、ある程度年齢層は高めというセグメンテーションを行えるでしょう。このように、「性別」や「年齢」というセグメントに分けたことで、顧客のイメージが明確になり、どんな商品を提供するべきかがわかるようになります。

また、ここでいう細分化は、「地理的変数」「人口統計的変数」「心理的変数」「行動的変数」の4つを組み合わせたものです。以下では、これらの指標について解説していきます。

地理的変数

地理的変数とは、国・都道府県・気候など、地理的な要因が絡む情報のことです。気候が寒いところでは温かいものが好まれるので、「鍋料理」や「暖房器具」などを販売するには適した環境といえます。このように、市場を取り巻く「地理的な環境」を考慮することが地理的変数です。

人口統計的変数

人口統計的変数とは、年齢・性別・学歴など個人の基本情報を指すものです。先ほど述べたゴルフの例では、年齢と性別はある程度絞れます。そこからさらに、ゴルフをしている人の職歴や、家族構成なども統計調査から判断すると、より効果的なマーケティングを行えるでしょう。

心理的変数

心理的変数とは、人の性格やライフスタイル、購入動機、価値観などを指します。心理的変数を正確に考慮するのであれば、アンケート調査やヒアリングを実施することが1番効果的です。

とくにアンケート調査は、顧客からの要望など、貴重な情報を手に入れられる方法です。そのため、今ではたくさんの企業がアンケート調査を取り入れています。

行動変数

行動変数とは、顧客の行動を統計的に調査した指標です。商品を買い替えるタイミングや使用頻度、使用目的など、顧客の行動を追跡したデータをもとに判断をします。

②ターゲット層を絞る(ターゲティング)

セグメンテーションで市場が明確になれば、次はターゲティングを行いましょう。ちなみにSTP分析のSTは、「誰に何を」の部分にあたるため、一般的にはセットで行う必要があります。

ターゲティングの役割は、セグメンテーションによって分割された狙うべき市場、もしくは顧客を分析して絞っていくことです。また、このターゲティングには「6R」というフレームワークを用います。

以下では、6Rを用いて正しくターゲティングを行う方法を解説します。

有効な規模(Realistic scale)

ターゲットを決めるためには、まず市場規模が適切かどうかを検討しましょう。よくある失敗としては、ある市場をセグメンテーションによって分割した結果、「市場がまったくないところをターゲットにしてしまった」という事例もあります。機械的に決めるのではなく、統計調査などをもとに根拠のある市場を狙っていきましょう。

優先順位(Rank)

優先順位とは、自社サービスに対しての顧客の関心や、優先度のことです。それなりに、関心や優先度が高いサービスであれば、口コミやSNSで広がっていく可能性が期待できます。

成長率(Rate of growth)

ターゲティングを行うにあたって、この成長率が1番重要です。狙った市場がある程度の規模があったとしても、今後少しずつ衰退していくのであれば、参入するべきではないでしょう。

そのため、現時点での状況だけを考慮するのでなく、市場自体の成長率という未来を常に考えて、ターゲティングをすることが大事です。

競合(Rival)

いわゆるレッドオーシャンかブルーオーシャンかということです。当然ですが、すでに競合が不動の地位にいるような市場は避けたほうがいいでしょう。

イメージしやすい事例は、携帯電話などの通信事業です。通信事業では、「ソフトバンク」「au」「ドコモ」という3大企業が確立した地位を築いています。このように、すでに完成しつつある市場への参入は、大きなリスクと競争があります。つまり、それほど競争が激しくない市場を見つけ、独自の地位を確立することが重要だといえるでしょう。

到達可能性(Reach)

到達可能性とは、顧客を呼び込める可能性があるかどうかです。実店舗で商品を販売することが目的なのに、人口が少ない場所や、わかりにくい場所にあるなどの問題がある場合は、考えなおすことが必要になります。

測定可能性(Response)

測定可能性は、顧客や市場の反応が測定できるかどうかという部分です。

たとえば、広告を打ち出してからその後の反応率や効果測定できれば、より正確なアプローチが可能になります。一方で、反応率の測定などができない市場では、根拠のあるアプローチができないため、リスクが大きくなる可能性が高いでしょう。

③自社の立ち位置を決める(ポジショニング)

セグメンテーションとターゲティングができたら、最後にセグメント内での自社の立ち位置を決めていきます。そのためには、「ポジショニングマップ」を作成するとより効果的な分析をすることが可能です。

ポジショニングマップは以下の手順で作っていきます。

1.競合他社の列挙

競合他社の列挙は、自社が狙うセグメント内に存在する、同じような事業展開をしている企業を挙げていくことです。ユニクロでいう、「ZARA」「H&M」「GAP」などを指します。

このときに、「顧客はなぜ競合他社で商品を購入するのか」という購買動機も考えるようにしましょう

2.2つの軸を決定

競合他社の列挙のときに考えた顧客の購買動機と、自社が差別化できそうなポイントを横軸と縦軸に決めます。

3.①と②をもとにマップを作成

作成した2軸をもとに、マップを作成します。マップは4現象で作り、狙うセグメント内で自社がどの立ち位置にいるかをわかるように配置しましょう。

このポジショニングマップをもとに、具体的な施策へと反映させていきます。

まとめ

今回は、マーケティング戦略における重要な分析の1つである、STP分析を解説しました。

STP分析は、経営戦略などを考えるうえでは非常に大切です。ただし、ユニクロでのSTP分析活用例のように、あくまでも「ユーザー目線」での分析が必須となります。

機械的に分析するのでなく、1人の消費者としての目線も忘れずに分析するようにしましょう。

植田 正志

デジメーション株式会社 取締役

WEB広告代理店に入社し、大手から中小まで新規クライアント開拓および既存クライアント様を幅広く担当。
またクライアント様の売上拡大のためのコンサルティングやマーケティングプランニングに従事。

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